2010年12月17日金曜日

セイバーメトリクス入門⑦

11、DIPS(Defense Independent Pitching Statics)

近年注目を浴びている全く新しい投手の評価指標です。この指標のコンセプトは投手の成績を「投手自身でコントロールできるもの」と「投手がコントロールできないもの」とに分け、前者のみで投手の力量を評価しようというものです。すなわち、単打などの本塁打以外の安打は守る野手の力量によるものであり、投手自身ではコントロールできないものとみなします。なので、投手のみに責任がある要素は与四球、奪三振、被本塁打の3つであるといのがコンセプトなわけです。当初、この指標には数多くの批判が寄せられましたが、今ではその有用性が広く認められています。


算出方法はいろいろありますが主に使われているのは下記の2つです。

①(与四球×3+被本塁打×13-奪三振×2)÷投球回+3.2
②{(与四球-故意四球+死球)×3+被本塁打×13-奪三振×2}÷投球回+3.12

またその後の研究ではこれに改良を加えたDIPS2.0と呼ばれる指標も提唱されています。算出方法は下記の通り。

{フェアフライによるアウト数×(-0.041)+ゴロによるアウト数×0.05+ファウルフライによるアウト数×0.251+ライナーによるアウト数×0.024+与四球×0.316+与死球×0.43-奪三振×0.12}÷投球回×9


非常に煩雑です。どうやったらこういう方法にたどりつくのか知りたいです。


ちなみに、被本塁打については捕手の責任もあるという声もあると思います。確かに日本では捕手が投げる球を判断して投手をリードするということが一般的なので、投手の責任は捕手の責任でもあります。しかし、メジャーでは投手の自己判断によるところが多く、捕手はあくまでアドバイスを送るだけにすぎません。セイバーメトリクス信奉者が「捕手は投手の投球にほとんど関与しない」とよく言うのはそのためです。それゆえ、この指標は日本では通用しきれないでしょう。

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